加齢黄斑変性のお話

加齢黄斑変性とは、加齢により網膜の中心部である黄斑と言われる部位に年齢に伴う老廃物が蓄積し、直接あるいは間接的に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなるという近年日本でも増加している病気です。(失明原因の第4位)

直接的な原因は、明らかではありませんが年齢が関与しています。

自覚症状は、ゆがみ、視力低下、中心暗点、色覚異常などが挙げられます。

加齢黄斑変性には大きく分けると萎縮型と滲出型の2つの種類があります。

 萎縮型は黄斑部網膜が徐々に萎縮していき、網膜機能が障害され視力が徐々に低下していく病型で、残念ながら現在のところ治療法はありません。

 滲出型は異常な血管(脈絡膜新生血管)が黄斑部網膜の下あるいは黄斑部網膜内に侵入し、網膜が腫れたり(網膜浮腫)、網膜下に液体が溜まったり(網膜下液)、出血したりして視力低下をきたす病型で、いくつか治療法がありますが、現在の主な治療法は硝子体注射による薬物治療となり、6割程度の確率で視力を維持あるいは改善させることができるようになりました。

現時点では、やはり完全に治癒できる病態では無いため、予防が大切とされ、紫外線予防や禁煙

ビタミンC・ビタミンE・βカロチン・亜鉛などを含んだサプリメントや緑黄色野菜の摂取、肉より魚中心の食生活などを行うと良いとされています。

当院でもサプリメントを配置致しました。希望の方は種類がございますので、まずスタッフにご相談下さい。
最後に、網膜断面を描出でき、短時間で検査が行え、造影検査など体に負担をかけることなく行える“光干渉断層計(OCT)”は、この病気の診断や治療にとても有益な機器です。定期的な診察を行う上で、経時的な網膜の変化を記録して対応していきたいと思っております。

2015年10月01日